胃もたれとは？胸やけとの違い

胃もたれの主な症状

食後にみぞおちが重く張り、圧迫されるような違和感や、食べ物が胃に残っているようなもたつきを感じます。少量でもすぐ満腹になって食べ進めにくく、げっぷや軽いむかつきが出ることがあります。脂っこい料理や冷たい飲み物で強まりやすく、朝は食べづらい・夜遅い食後や横になると悪化するなどの変動がみられます。

胸やけとの違い

胸やけは、みぞおちから胸のあたりが焼けるように熱く感じる症状です。胃酸が上に上がって食道を刺激している可能性が考えられます。一方、胃もたれは「胃の中に残っている感じ」「重くて動かない感じ」が中心です。どちらも生活の見直しで軽くなることがありますが、長く続く場合は原因確認が安心です。

胃もたれの原因

食生活の乱れ

脂っこい料理、甘いものの食べ過ぎ、早食い、夜遅い食事は胃の負担になります。冷たい飲み物を一気に飲むことも、胃の動きを鈍らせることがあります。

ストレスや睡眠不足

ストレスや睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、胃の動きを不安定にします。その結果、胃の排出が遅れたり胃酸分泌が乱れて、食後の重さや張りが出やすくなります。仕事の緊張や夜更かし、食事時間の乱れが重なると、もたれが持続・悪化しやすくなります。

逆流性食道炎など病気の可能性

胃酸の逆流、ピロリ菌による胃炎、胃潰瘍、胆のうや膵臓の不調が隠れていることがあります。放置すると出血や体重減少など深刻な問題につながるおそれがあります。
体重が減る、黒い便、強い痛みがあるときは、早めに受診して原因を確かめましょう。

胃もたれ時におすすめの食べ物

主食の選び方

温かくてやわらかい主食が入りやすいです。まずはお粥、軟らかいご飯、うどん、食パンの少量から。体調が落ちている朝は味噌汁やスープと組み合わせると負担が軽くなります。冷たい麺より温かい麺を選び、よく噛んでゆっくり食べましょう。

たんぱく質の選び方

白身魚（鱈・鯛）や鶏ささみ、豆腐、卵（半熟）など、脂の少ないものが安心です。焼き目を強くつけず、蒸す・茹でるなどでやわらかく仕上げます。量は欲張らず、少量をこまめに取り入れるようにしましょう。

野菜と飲み物の選び方

繊維が硬い生野菜より、温野菜（大根・かぶ・にんじん・白菜）が向いています。飲み物は白湯・麦茶・薄い番茶・デカフェを少しずつ取りましょう。炭酸や濃いコーヒーは量を控えめにして様子をみてください。

胃に優しい調理の工夫

揚げるのを控え、蒸す・煮る・茹でるへ置き換えるだけでも負担は変わります。油は小さじ1〜2を目安にし、だしや香草で風味を補いましょう。食事は温かいものから口に入れ、薄味を基本にすると楽になります。

胃もたれになった時に避けた方がよい食べ物

脂が多く消化に負担がかかる料理

揚げ物や天ぷら、唐揚げ、カツなどは胃に長く残りやすいです。脂身の多い肉、ベーコンやソーセージ、濃厚なクリームやバターを多く使う料理も控えめにしましょう。外食では炒め物より煮物や蒸し料理に置き換えると負担を減らせます。

辛味や酸味が強いもの

唐辛子が効いた激辛料理、キムチ、にんにくが強い料理は量を控えましょう。酢をたっぷり使った料理やレモンの酸味が強い料理も様子を見ながら少量に。飲み物ではアルコール、炭酸飲料、濃いコーヒーは控えめにして白湯や麦茶に切り替えると安心です。

胃もたれの自分でできる解消方法

少量でよく噛む

一口の量を減らし、20〜30回を目安によく噛むようにします。早食いを避け、腹八分で止めると負担が軽くなります。温かい料理から始め、ゆっくり食べ進めましょう。

適度な運動を行う

食後すぐの激しい運動は避け、20〜30分後に散歩がおすすめです。体幹を伸ばす軽いストレッチを加えると血行が整います。無理のない範囲で、毎日少しずつ続けましょう。

休息をとる

睡眠時間の確保と、日中の小さな休憩が大切です。湯船にゆっくり浸かる、深呼吸をするなど交感神経を落ち着かせる時間を作りましょう。

就寝前は食べない

就寝の2〜3時間前までに食事を終えると、夜間の逆流やもたれ感を避けやすくなります。夜食は避け、どうしてもお腹が空くときは温かい汁物を少量に。横になる前に水分も取り過ぎないよう気をつけましょう。

胃もたれが続く場合の受診の目安

胃もたれを放置すると、食欲低下や体重減少につながり、栄養が偏りやすくなります。背景に逆流や胃炎、潰瘍、胆のうや膵臓の病気が隠れていることもあり、見逃すと症状が長引くおそれがあります。次のような場合は受診を検討してください。

胃もたれが2週間以上続いている。
体重が意図せず減っている、または食欲が落ちている。
黒い便や吐血、持続する吐き気がある。
みぞおちの強い痛みや背中に響く痛みを感じる（夜間に目が覚める痛みを含む）。
市販薬を数日〜1週間試しても改善しない、または50歳以降に初めて症状が出た。

受診の際は、症状が出やすい時間帯・食べ物・服用中の薬を事前にメモしておくと、診察がスムーズに進みます。

当院の消化器内科の検査とケアの流れ

胃もたれが続く場合は、今の体の状態を確認する受診をおすすめします。当院では、検査結果に基づき、生活の整え方と定期チェックまで一緒に計画します。

血液検査で状態を把握

血液検査では、肝臓の働きや脂質（中性脂肪・コレステロール）、血糖の状態が分かります。自覚症状がなくても数値が悪化していることは珍しくありません。数字で見える化することで、必要な対処を早めに始められます。

食べ物や生活リズムのアドバイス

「何をどれくらい食べればいい？」「運動はどの程度？」といった疑問に具体例でお答えします。体質や生活は人それぞれ。検査結果とお話を踏まえ、無理なく続く方法をご提案します。診察室での何気ない会話が、生活を見直すきっかけになります。

再検査や定期チェック

生活改善の効果や体の変化を確かめるには、定期的な見直しが大切です。当院では、負担にならない通院ペースや、希望に合わせた再検査の時期をご案内します。無理のない計画で、再発予防まで一緒に取り組みます。

異変を感じたら当院へ一度ご相談ください

胃もたれが続くときは、まずは食べ物や生活習慣を見直し、無理のない範囲で整えてみてください。それでもよくならない、原因が分からず不安なときは受診をおすすめします。当院では、胃もたれの症状の背景を確認し、食べ物の工夫と検査の両面からサポートします。

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